○心にゆとりがなくなると人はどうなる?
現代社会を生きる私たちは、様々な情報に取り巻かれています。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、映画、そしてインターネット。街を歩けば、道路標識や信号機に人の波。喧伝カーからは大音響のメッセージヽが流れ、電信柱からビルの屋上まで、至るところに派手なネオン広告やポスターがあります。ショーウィンドウには、魅力的な商品が並び、道行けば宣伝ティッシュが配られる……。
このように、情報が多すぎて処理できないような状況を「過剰負荷環境」といいます。これほどたくさんの情報を処理するには、相当のエネルギーを費やさなければなりません。
すると、仕事・家庭・趣味などに余裕をもって接することができなくなってストレスが高まり、極端な場合、引きこもりや心身症といった病気に陥ることがあるのです。
この「過剰負荷環境」に陥った場合、人はどんな対処をするのでしょうか。社会心理学者のミルグラムはこう言ってます。
まず、様々な情報の刺激に対処する時間を短くします。そして、あまり重要でない刺激は無視するようになるのです。
たとえば、パソコンを買い求めようと思っているときには、安売り店の看板は目についても、レストランやブティックの看板は目に入らない、といった具合です。
また、責任を他人に転嫁しようとします。
たとえば、具合の悪そうな人を見ても、自分には責任がないとして見ぬふりをしてしまうのです。さらに、他人と直接接触しようとせず、社会的な仲介機関を利用します。アメリカのように近所とのちょっとしたトラブルまで、弁護士に依頼するのは、このケースです。
情報過多の都会で、人間関係が殺伐としてしまう背景には、そういった要因があるのです。
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